サプリのカラメル色素

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カラメル色素とは?発がん性の危険は?|添加物の安全性

サプリメントの原材料名の箇所に「着色料カラメル)」や「カラメル色素」という表示を見かけます。

健康のために摂取するサプリになぜこうした添加物が必要なのでしょうか?また、毎日摂取し続けても問題ないのでしょうか?

カラメル色素とは?

カラメル色素とは、国で使用が認められている食品添加物の1つで、食品や飲料をはじめ、化粧品や薬品、サプリメントなどの着色に使われています。

製造方法の違いにより、下図のように「カラメルⅠ〜Ⅳ」の4種類に分類されています。

「カラメルⅠ〜Ⅳ」の製法と特徴:

 種 類     
製 法
特 徴
カラメルⅠ
ブドウ糖や砂糖など、糖
類を加熱して作る。
昔ながらの製法。コスト
はかかるが一番安全。
カラメル II
糖類に亜硫酸化合物を加え
加熱して作る。
日本では禁止の製法。
カラメル III
糖類にアンモニウム化合
物を加え加熱して作る。
4-メチルイミダゾール
(4-MEI)という副産物が
生成される。

カラメル IV
糖類に亜硫酸化合物、ア
ンモニウム化合物を加えて
加熱して作る。

発がん性の危険は?

日本ではカラメルⅠでも、カラメルⅡ ~Ⅳような合成着色料であっても、表示は「着色料(カラメル)」または「カラメル色素」としか記載されません。

カラメル「 III」「IV」は、アンモニウム化合物を加えて製造する過程で化学反応により、4-メチルイミダゾール(4-MEI)という副産物が生成されます。

この4-MEIという物質に発がん性を示す動物実験の研究報告が海外で発表されていますが、この試験での4-MEIの投与量が人が摂取する推定量をはるかに超える量だったため、食品摂取における発がん性の根拠とされていません。

現在のところ、ヒトに対する発がん性を示す十分な根拠はまだ報告されていないようです。

それでも、こうした情報から食品添加物に対する安全性について懸念する人々もたくさんいます。

日本では、実はこのIIIとIVが、カレールーやコーラ、お菓子、醤油、焼肉のたれ、ソース、カップ麺・インスタントラーメン、合わせ調味料、アイスクリームなど、多くの食品に使われています

身近な食品にも添加されている

一見、健康に良さそうなトクホ飲料にも使用されていることがあります。

サプリ摂取の安全性への取り組み

世界各国の食品安全関連情報を発信している内閣府・食品安全委員会のサイトでは、米国食品医薬品庁(FDA)発表の「カラメル色素と4-MEIに関するQ&A」について取り上げています。

その中では、次の点が指摘されています。

  • カラメル色素として食品に用いられる濃度では、差し迫った危険性や短期的な危険性があると考えるべき理由はない
  • 4-MEIへの心配から消費者が食事を変えることを勧めるものではない。

欧州食品安全機関(EFSA)は、カラメル色素の副産物の量は、技術的に可能な限り低減すべきと提案しています。

これに基づき、EUは、規則(EU)231/2012で、カラメルⅢ中の4-MEIの基準値を250mg/kgから200mg/kgへ低減し、カラメルⅣ中の基準値250mg/kgを設定しました。

お隣の台湾でも、台湾行政院衛生署食品薬物管理局がカラメル色素の安全性を心配するメディア報道を受けて発表した主な内容は次の通りです。

  • 4-MEIはカラメル色素の製造過程で生成される副産物で、食品が加熱される過程で化学反応により自然に生成される物質である。
  • 添加されるカラメル色素が規定に適合していれば、消費者に健康危害が生じることはない。ー内閣府・食品安全委員会

また、日本では、食品添加物公定書の中で上限規格がしっかりと定められており、カラメル色素ⅢとⅣに対して4-MEI(4-メチルイミダゾール)が過剰に含まれないようきちんと管理されていますので、深く心配する必要はないようです。

まとめ

「発がん物質」という言葉だけが一人歩きをして,多くの人々を不安に陥れている面がありますが、常識的な摂取量では特に問題ないと考えられています。

食品添加物は取らないに越したことはないですが、今の時代、全く避けることは不可能に近いので、正しい情報を得ながら自分や家族が口に入れるサプリメントを選んでいきたいですね。


この記事を監修した人

ユウキ 30代男性。体調への不安からサプリに関心を持つようになり、サプリメントアドバイザーの資格を取得。趣味はハーブティーと温泉。

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